SEOコンサルタントの奇妙な冒険「残念な聖戦」を読んだ

突発的に会社を辞めた三流SEOコンサルタントが、様々な人々との出会いを経ていつしか日本の価値なきインターネットの価値を守る「聖戦」へと赴く奇妙な冒険譚。

本作は2012年頃にスマホで書かれた小説で、執筆したのがLINEの中の人というのだから興味深い。

残念な聖戦

残念な聖戦

作中で描かれている2012年当時におけるSEOの実情が面白い。 主人公「代々木犬助」の駆使する被リンク数を増大するために対象サイトのURLへのリンクを貼りまくった記事ブログを量産するという手法が検索エンジンからすると完全なるスパム行為で、SEOのコンサルってこんな泥臭い作業もしているのかーと慄然としつつ本人もそれが実に残念な仕事だと認識しているのが滑稽で良い。

もちろん、これはブラックSEOと呼ばれる悪い部類の手法だ。今現在、検索エンジンのアルゴリズムではこのスパム行為による検索結果への影響は殆ど無い。

ちなみに犬助がスパム行為で利用している無料ブログサービスに「くまブロ」というサービスがあるのだが、これは明らかに「ア○ブロ」だと当たりがついてクスリとさせる。(当時、めちゃくちゃな文章の記事のブログがよく検索に引っかかっていたけど確かア○ブロが多かったような・・・笑)

犬助が会社を出奔し、本関係のNPO団体にのめり込んだり、地元のホテルでアルバイトしてたら麻雀バトルに巻き込まれたり、意識高くシリコンバレーのネット系サービスのイベントへ参加したり、etc と様々な経験をしていく様がテンポ良く描かれ、そこでの出会いの伏線を最後の聖戦で回収するという構成が「ややご都合主義的・・・」ではあったものの読後感は心地良く、全体的に楽しんで読むことができた。