IT 感想

小学生の頃に見た旧版ITと比べると、殺人ピエロのペニーワイズの造形が今風にデフォルメされていて不気味さと嗜虐性が随分と削ぎ落された印象だ。

気の狂った変人然からスマホゲームのクリーチャー然となっただけで恐怖係数みたいなものがズーンと低下してしまい、結果、旧版の頃に抱いたあの圧倒的な「恐怖」がだいぶ薄められてしまった気がする。 (それでも地下室で水の中から駆け上がって来るシーンはそれなりに怖かったけど・・・)

ペニーワイズと戦う子供達は「潔癖症で虚弱」「父親の件で心に傷」「外見にコンプレックス持ち」「両親を失って孤独」「とりあえず口が悪い」「臆病」「吃音気味」といった具合に個性を一通りラベル付けしてそれっぽく動かしている感が目立った。
旧版の方がそれぞれのバックボーンをもう少し細かく描いていて、一人一人の存在感に厚みがあったような気がしたが、しかし、こういう子供の頃に見て割と深い印象が刻まれた作品のリメイクに対して辛口な気持ちで構えてしまうのは、見ている僕がすっかり大人になってしまったことで物語の受けとめ方が旧版鑑賞時の頃のソレと大きく変わったからなのかもしれない。

よくよく思い返してみると、実際のクオリティーは旧版もこの新版と対して変わらなかったような気がする。

となると、エンタメ映画を人並みに楽しんできた経験が、こんな風に昔子供の頃に抱いた一生モノだと思った深い印象やら感動を「あー、実はそうでもなかったんだなー」と無下に再評価しそれに納得してしまっている状態が何か悔しい。

一応、第2章の大人編も見るつもりだけどその前に旧版ITを見直しておこうかな。

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