未処分利益

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解雇を言い渡されたサラリーマンが危険な仕事に巻き込まれてしまう映画 トレイン・ミッション

保険会社の営業として働く元警官のマイケル(リーアム・ニーソン)は、後5年で定年退職という時期に会社から突然の解雇を言い渡された。家のローン返済や、息子の学費の捻出と家計の問題は山積状態での無慈悲な宣告に、悲壮感一色の表情で途方にくれながら乗車する家路へのハドソン線の車中、マイケルは全く面識のない女に報酬10万ドルの奇妙な仕事話を持ちかけらる。

仕事の内容は「コールドスプリング駅で降りるプリンという人物を見つけ、その人物が持っているバックを手に入れろ」というものだ。

女から電車の中に隠した着手金25,000ドルの在り処を伝えられ、軽い気持ちでそれを手にしてしまったマイケルは、やがて自分がとんでもない仕事を引き受けてしまったことを自覚する。

この仕事を遂行するまでは途中下車や他言もできず、件の女により遠隔で家族を人質に取られてしまったのだ。

抜き差しならない状況下、果たしてマイケルはコールドスプリング駅到着までにプリンを見つけバッグを手にすることができるのか。

冒頭、マイケルが毎日欠かさずメトロノースのハドソン線に乗車して郊外のタリータウンからマンハッタンのグランド・セントラル駅を往復する様が季節の移り変わりとともに描かれるその約5分間のシークエンスがサラリーマンの悲哀をストレートに示していて心に染みる。

10年間の通勤生活で顔なじみになった老人エミリーがマイケルへ人生について語る台詞もまたキツイ。

毎日しんどい。
秒読みの気分だ
同じ道を往復して
ある日お払い箱に・・・

しかも、その数分後にマイケルは解雇を言い渡されるのだから見ている方からすると「これがアメリカの労働環境か!」と圧倒される。(しかも退職金代わりに医療保険の商品を提供されるあたりがまたエゲツない)

こんなシビア過ぎるアメリカン・サラリーマンの実情を目の当たりにしてしまうと、見知らぬ女に誘導されて、25,000ドルの現ナマを思わず手にしてしまったマイケルのことを責めることはできないだろう。

巨大な陰謀の手先たる女の差し金でプリンを探すというタスクがどんどん思いもよらない方向へ転換して途中からはアクションバリバリの「暴走特急」の様相を呈していくのだが、定年間近の60代・生命保険の営業が格闘で殴り合う様は前職が警官という設定で補うのにはやや辛さを感じた。